2025年12月
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訪問看護師が提供する産後ケアの具体例
産科訪問看護と聞くと、どのようなサービスを受けられるのか具体的にイメージしにくいかもしれません。訪問看護師は、まず各家庭の状況を丁寧にヒアリングし、その上で必要なケアプランを立案します。例えば、新生児のケアでは、へその緒の消毒や皮膚の清潔保持、異常の早期発見などを行います。特に、赤ちゃんの体調は急変することがあるため、家庭での観察ポイントを具体的に指導し、異変を感じた際の相談窓口となることも大切な役割です。授乳に関しては、母乳育児を希望するお母さんに対しては、正しい抱き方や飲ませ方、乳房マッサージの指導を行います。乳腺炎などのトラブルが発生した際には、適切な処置や専門医療機関への連携もサポートします。また、ミルク育児を選択するお母さんには、調乳方法や哺乳瓶の消毒方法など、衛生面での注意点を丁寧に説明します。お母さんのケアにおいては、帝王切開後の創部ケアや悪露の状態確認、貧血の有無など、身体的な回復状況を定期的にチェックします。精神面では、産後うつ病の兆候を見逃さないよう、お母さんの話をじっくりと聞き、必要に応じて専門機関への紹介も行います。育児に関する相談はもちろんのこと、夫婦関係や家庭内の問題、社会資源の活用方法についても、守秘義務のもとで相談に応じ、適切なアドバイスを提供することで、お母さんが孤立することなく育児に取り組めるよう支えます。このように、産科訪問看護は、出産後のお母さんと赤ちゃんが直面する様々な課題に対して、きめ細やかなサポートを提供することで、安心と健康な生活をサポートする重要なサービスです。